もらい事故でも賠償責任?(4)

クルマトーク

先日、福井地裁で驚きの判決が出て話題となった「もらい事故でも賠償責任?」のニュースをまとめてみた。

もらい事故でも賠償責任?(1) 事故の概要・事故当事者の関係性と事故に至った経緯
もらい事故でも賠償責任?(2) 誰が誰を訴えたのか?
もらい事故でも賠償責任?(3) 任意保険の対応はどうだったのか?
もらい事故でも賠償責任?(4) 自賠責保険の対応はどうなのか? ← 今この記事
もらい事故でも賠償責任?(5) 各原告の主張と請求
もらい事故でも賠償責任?(6) Fさんに過失はあったのか?
もらい事故でも賠償責任?(7) くだされた判決
もらい事故でも賠償責任?(8) 各被告への損害賠償支払い命令
もらい事故でも賠償責任?(9) 一番かわいそうなのはAさん

 

自賠責保険の対応はどうなのか?

任意保険は前述のとおり、センターラインを越えての事故であったため、過失割合は10:0で、
F車に過失はないため、F車の保険は相手にはおりない。

そしてG車では、家族限定特約がつけられていたにも関わらず、
家族以外のAさんが運転して起こした事故のため、G車の保険も適用されなかった。

では、強制保険の自賠責保険はどうなるのだろうか?

自賠責保険には家族限定特約などはないので、今回の事故の場合、
G車の自賠責保険から、相手のF車に乗っていて怪我を負ったFさんには、治療費等が支払われる。

しかし、センターラインを越えての事故だったため、F車に過失はないと見なされ、
F車の自賠責保険から、相手のG車に乗っていて死亡や怪我をした人への、
損害賠償金や治療費などは、やはり自賠責保険からも支払われなかった。

 
自賠責保険はもともと、無保険車(任意保険未加入車)と事故を起こしてしまった場合でも、
被害者の救済がされるようにと、すべての自動車に加入が義務付けられるようになった強制保険である。
そして、自分の過失が大きい事故であったとしても、救済措置として、相手自賠責保険からは、
しっかりと治療代や賠償金が支払われるような仕組みになっている。

しかしながら、正常に停車している自動車に追突した場合や、信号無視、
センターラインをオーバーして事故を起こした場合などでは、自賠責保険でも保険金が支払われないケースがあるのだ。

そして不幸なことに今回の事故は、自賠責保険でも保険金が支払われないケースとなり、
F車の自賠責保険からG車側への支払いはされなかった。
(前述のとおりG車の自賠責保険からFさんへの支払いはあり。)

 
ちなみに、自賠責保険から、事故によって相手が怪我や死亡した場合の治療費や損害賠償は出るが、
死亡の場合でも上限は3,000万円となり、相手への賠償額がこの金額では足りない場合も多くある。
その際に、足りない分をカバーしてくれるのが任意保険であり、任意保険に加入していなければ、
足りない分は自分で支払っていくしかないのだから、やはり任意保険への加入は重要なのだ。

 

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