もらい事故でも賠償責任?(9)

先日、福井地裁で驚きの判決が出て話題となった「もらい事故でも賠償責任?」のニュースをまとめてみた。

もらい事故でも賠償責任?(1) 事故の概要・事故当事者の関係性と事故に至った経緯
もらい事故でも賠償責任?(2) 誰が誰を訴えたのか?
もらい事故でも賠償責任?(3) 任意保険の対応はどうだったのか?
もらい事故でも賠償責任?(4) 自賠責保険の対応はどうなのか?
もらい事故でも賠償責任?(5) 各原告の主張と請求
もらい事故でも賠償責任?(6) Fさんに過失はあったのか?
もらい事故でも賠償責任?(7) くだされた判決
もらい事故でも賠償責任?(8) 各被告への損害賠償支払い命令
もらい事故でも賠償責任?(9) 一番かわいそうなのはAさん ← 今この記事

一番かわいそうなのはAさん

この事故で一番かわいそうなのは亡くなったGさんよりもむしろ、多額の賠償を負ってしまうことになった大学生Aさんではないかと思う。

亡くなったGさんを悪く言うのは失礼だとは思うが、Aさんも被害者の一人で、その被害を与えたのがGさんであると、わたしは思ってしまうのだ。

アルバイト先の上司に誘われて行った徹夜の強行コンサートで、ずっと運転してもらっていた手前、「僕も眠いですから一旦休憩しましょう」とは言いにくくて、運転を代わることになったのではないかと。そして、せめてGさんがシートベルトをしていれば。

家族限定特約がついていて、何かあった際には保険がきかないということは、Aさんは知っていたのだろうか?Gさんは知っていて交代したのだろうか?

せめてG車の任意保険に臨時運転者担保特約がついていれば。

または、Aさん自身かAさんの家族が車を所有していて、その保険に他車運転危険担保特約が付いていれば、そこから今回の損害賠償のいくらかは支払われるのだが。

Aさんの負債が少しでも軽くなる術があることを願うばかりである。

いずれにせよ、こと交通事故に関しては、如何に任意保険が大事なのかと痛感させられる。
保険料が安くなるからと、安易に家族限定や年齢制限をつけるのも考えものだ。

そして、他人の車を借りる、運転する、逆に知人に貸す、運転させるというのも、安易にするのではなく、事故が起きたらどうなるか?というのを一瞬でも考えてから判断したいものである。

無保険車の場合は、自分は運転しなくても、同乗するだけでもリスクがある。
同乗中の事故で怪我をしても、治療費が出ないのだ。

この機会にいま一度、自分や家族、友人の任意保険を確認してみるのもいいのではないか。

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