日本国内では10年ぶり(2008年の十勝以来)、富士スピードウェイでの開催は50年ぶりとなる24時間耐久レースの観戦に行って来た。
2018年6月2日(土)15時決勝スタート、3日(日)15時ゴール。ほとんどの人が未体験であろう24時間レース。わたしも初体験。その様子をレポートします。
西ゲート入場と待機列
このレースの入場は西ゲートからのみ。ゲートオープンは7:30の予定。
キャンプエリアに一番近い13コーナー駐車場を狙うため、6時には到着したが、待機駐車場となっているP15はもういっぱいいっぱいで、なんとか最後の2列に滑り込みセーフ。待機駐車場からあぶれて周辺道路で待機となると落ち着かないから助かった。ゲートオープンまでエンジンも切って車内で朝ごはんモグモグ。
この間、P15で待機してる車両から、キャンプ道具持って場内に入って行く人たち数組。はぁ?(怒)と思ってたら、ようやく係員が来て場内には入らないようにのアナウンス。「まだ入場開始されてません。場内には入らないでください。至急お車にお戻りください。トイレは西ゲート脇のトイレを利用ください」と。当然だよね。
GTの時はこのあたりがもっとしっかり統制されているのかしら?GTではいつも東ゲートから入場しているから、西ゲートの事情にはあまり詳しくない。
あとGTではゲートオープンが30分ほど早まるのも毎度のことなのだけど、この日S耐は予定通り7:30オープンだった。が、後ろの方の列だったので、オープンしたからと言ってすぐ入れるわけでもなく、入場できたのは8時くらい。
このとき周辺道路は大変な渋滞になっていたらしい。P15も空いたスペースに更に待機列を作らせてたけど、全然追いつかず、西ゲートに向かう道で大渋滞にはまっている人たちや、P15オープン待ちの人たちからから阿鼻叫喚のツイートが流れてきてた。
ちなみにわたしは、ほぼ満車状態の13コーナーPにとりあえず頭突っ込んでキャンプ道具を運び、設営して、落ち着いた頃にP15に車を移動させた。ぎりぎり13コーナーPに突っ込めたけど、これ出来なかったらGT同様延々とP15オープンを待たなきゃならなかった。天気予報によるかもだけど、来年も24時間あったら更に早めに到着できるようにしよう。
最終コーナー外側キャンプエリアの様子
そんなこんなで、なんだか10万人近く入る5月のGTのときよりドッタンバッタンな入場だったが、ゲートオープンから約2時間、落ち着いてしまえば場内はのどかで平和そのもの。GTでは最近ぎゅうぎゅうになってしまう最終コーナー外側の芝生キャンプエリアも、十分余裕があった。
GTとの比較ばかりで申し訳ないが、GTでは最近ゲートオープン後数時間で満車になってしまうP15も、2日間ともずっと空きがあった。これは逆に24時間レースではゆっくり目に到着するストラテジのほうが、ストレスなくいけるのかもしれない。
確実に待機駐車場に入れるよう早朝4時5時には到着するか、はたまた入場が落ち着いた10時ごろを目指して到着するか、この二極が正解かもしれないな。
キャンプ地は最終コーナー間近の場所にとった。スペースに余裕があったので、もっと下のほうとかトイレに近い場所も取れたが、今回は眺めを重視して。
写真に写ってるうちのキャンプギアを紹介するよ。
タープ → コールマンXPヘキサタープS
テント → ケシュアARPENAZ3 FRESH ツーリングテント
ゼロヨンイベントと決勝スタート
決勝スタートは午後3時。13:20にはスタート進行が始まる。サポートレースはないが、イベントとしてはCarGuy主催のゼロヨンと走行会があった。
富士のホームストレートを使って、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、コルベット、バイパーと、エキシビション要素として6輪駆動のメルセデスベンツG63AMG6×6など、悪趣味とも言えるほどの絢爛豪華な車両がゼロヨンタイムを競う。
ゼロヨンは観たことなかったので、グラスタで観戦したかったが、8:30スタートで、キャンプ設営まっただ中で無理だった。ただ、設営しながら音は聞こえたし、ホームストレートでゼロヨン競争をしたあとは、コースを一周走ってまたホームストレートに戻るので、ゆっくりだけど走行してるクルマも観れた。
木村隊長の解説も面白くて、ゲラゲラ笑いながら設営してたわ。「ローンチコントロールがーっ!」って思わず一緒になってローンチコントロールローンチコントロールと言っていた。これは声に出して言いたくなる(笑)。
設営が終わったらとりあえずいっぱい♪
この日は本当に爽やかな晴天で、野外で過ごすにはめちゃくちゃ気持ち良かったわー。
写真に写ってるうちのキャンプギアを紹介するよ。
テーブル → コールマンナチュラルモザイクリビングテーブル120cm
シングルバーナー → SOTOシングルバーナーST-340
朝からついダラダラ飲んでしまったが、昼ごろにはグラスタへ。物販ブース・飲食ブースはGTと比べちゃうとやっぱり寂しいが、人も少なくてあまり待たずに買い物できるのはありがたい。
自衛隊車両展示や働くクルマのデモンストレーションなど、地味に良かった。ツレは地上20mにあがってましたわ。
2018年のスーパー耐久はピレリタイヤのワンメイクレース。ピレリのブースも出ていた。F1でもお馴染みだね。
参戦台数50台に24時間分のタイヤを供給するとなると、持ち込むタイヤの数は莫大で、とても大変そう。ピレリさんは今回の24時間レースのイベントなどの裏方も支えてくださったそうで、好感度がぐぐっと上がりましたよ。スタッフさんお疲れ様でした。
スタート進行が始まってもスタンド席は空き空き。グリッドウォークも人ぎちぎちじゃなくっていい感じ。GTに比べるとホントのんびりしていていいわー。
しかし、入場者数が少なかったわけではない。発表では2日間で約3万5千人と、スーパーフォーミュラ並みの来場者であった。
24時間レースということで、みんなコースサイドでキャンプやBBQをしながら、思い思いに観戦するスタイルの人が多かったようで、グランドスタンド周辺の人口密度が低かったのだな。ちなみに日曜の昼は更に閑散としていたよ・・・。
花火とキャンプファイヤーと夜間レース
スタートから1時間ほどグラスタで観戦し、わたしもベースキャンプへと戻ることに。最終コーナーで過ぎ行くクルマを眺めながら、のんびり炭おこしなど。
いい感じで暮れてきたころ、ツレを火の番に残して写真撮影に。どうしても真っ赤に焼けたブレーキローターが撮りたかったんだよね。で、目的のポイント、ダンロップ内側に。
しかし、人も多いし、ダンロップコーナーのエイペックス付近まで来ないとなかなかローター焼けないし、そのポイントはフェンスが二重になるような場所だしで、撮影はだいぶ苦労した。キャノンEOS KISS X7での撮影だったが、薄暮の頃でもぎりぎりピンがあわない。日が暮れてしまうともうダメダメ。
焼けたローター撮るなら第1コーナーのほうがよかったかもだけど、このポイントは富士山を背景に撮れる場所でもある。
再びベースキャンプに戻って飲み食いしていると、20:15から20:30までの15分間で花火の打ち上げも。鈴鹿1,000kmならゴール後の花火だが、S耐富士24Hでは、レースはまだまだ18時間以上も残ってるー(笑)。
その後P16でキャンプファイヤーがあり、これは絶対に行こうと思っていたので、花火が終わったと同時に友達と移動。この間、火の番は夕方から合流した知人にまかせた。
キャンプファイヤーなんて小学校のキャンプ以来だー。と眺めていたら、マイムマイムが流れたーーーっ!!
近くの人とみんなで手をつないで輪になって。石ころゴロゴロの駐車場で、足首ひねりそうになりながら、うろ覚えのマイムマイムを踊る。
もぉーう、めっちゃ楽しかったーーーっ!!お酒はいってるからなおさら、ゲラゲラ笑いながら踊ってた。おもしろかったー。
後日、動画で正しいマイムマイムをおさらいして、カラオケで踊ったくらい(爆)。
キャンプファイヤーが終わり、ベースキャンプに戻ったのが21時ぐらい。そこからまたダラダラ飲み。一緒に旅行行きたいね~、キャンプも行きたいね~、と言いつつなかなか実現できなかった友達とのキャンプなので、話は尽きず。それでも24時ごろお開きに。
おトイレで洗顔や歯磨きを済ませ、友達はそのままテントへ。わたしはまだ撮りたいものがある!と13コーナーへ。
撮りたかったものはコレ。長時間露光でライトの軌跡。
もっともっと色んな場所に撮りに行きたかったけど、体力がついていかなかった。他の方の写真を見ると、アドバンコーナーやダンロップコーナー外側から撮影したものが、すごくきれいに光の軌跡が出ていた。
ちなみに夜中から朝にかけて、かなり冷えた。写真撮影中は息が白かったので、気温は10度近くまで下がっていたのではないかと。更に明け方は寝袋の中でも寒かったので、10度を下回っていたかと。6月でも富士は油断大敵。防寒対策しっかりと!!
そして、もう一つ撮りたかったものが、夜明けのサーキットと朝焼けの富士山。
夜明けタイムは24時間レースの醍醐味!!ほっとするとともに疲れがピークに。朝日に照らされたクルマたちの汚れが、夜間走行の厳しさを物語る。そんな夜明けと、赤く焼けた富士山。
を撮りたかったのだけど、早朝、めっっっちゃ寒くって、それなりの服装で寝てたのだけどものすごい寒くって、寝袋から出られずやむを得ず二度寝・・・。
カイロなんかも必要だったな。やはり富士は通年で防寒対策が必要だね。来年は更に装備を固めて早朝撮影に挑みたいと思う。
その他のイベント・サービス
その他、自分は体験しなかったけど気になったイベントもご紹介。
● 近隣温泉施設までの送迎バス
あしがら温泉と天恵にシャトルバスを出して送迎するサービス。あしがら温泉が15:10から20:10、天恵が17:00から21:00で、それぞれ1時間おきにバスが出る(あしがら温泉は18時台は無し)。昼間飲んでしまっても、このサービスを利用すればお風呂に入りに行けるのだ!これはぜひGTでもやって欲しい。とか言いながら、結局だらだらして面倒くさくなって、お風呂行かなかったけど。
● レストランORIZURUのバー営業
パドック内のレストランORIZURUが夜8時から翌朝5時まで、スポーツバーに変身!サーキットではいつも缶ビールや缶チューハイばかりなので、ちゃんとしたバーで、生ビールやカクテルをおしゃれに味わってみたいもので、これも行きたかったんだけど結局だらだらして面倒くさくなって・・・。ほんとダメなオトナだ。
● キャンプヴィレッジパッケージ
なんとテント付の観戦券が発売されたのだ。自前キャンパーのわたしには関係ないのだが、手ぶらで来場、到着後すぐにアウトドア&キャンプ気分でレース観戦を楽しんで、更に使用していたテントは持ち帰りOKというこのチケットは面白い。テレビで紹介されたのを見てキャンプ観戦に興味は持ったけど、一歩踏み出せないでいた人なんかにはおすすめだ。
テントは予めスタッフが設営してあるので、慣れない人でも安心。また、同じエリアで手ぶらBBQ(一般の方も利用可能)も開催されていたので、こちらも余計な準備や心配なくBBQも楽しめるようになっていた。
ゴールと場内および周辺道路の混雑
そして夜は明け。
いや~、ここまでまったくレースの内容に触れてない(笑)。
WRXが早々にR8にミサイル突撃され、右側面がべっこり。ドアの開閉もできず、ドライバーは助手席側から降り、その後グラインダーで運転席ドアを切断。そしてスタッフが乗っている市販WRXから運転席ドアを移植してレースに復帰!なんていう耐久レースならではのドラマや、夜間にクラッシュ、リタイヤが相次ぎサバイバルな様相も。
WRXに突っ込んだピンクのR8といい、Audi勢は総じてガラ悪いイメージだったなー。パッシングべかべかだし、色々やんちゃが過ぎるし。これは海外チームのレーススタイルの違いなのかな。
まあ、そんな感じでレース内容に触れようと思えばそりゃ24時間も走ってるわけなんで、ネタには事欠かないというか、キリがないので、ここでは割愛。ゴールとレース終了後の周辺道路の混雑状況などに触れてみよう。
まずキャンプの撤収をしてから、12時くらいにグラスタ裏に行ったのだが、閑古鳥なきまくりな人の少なさだった・・・。コース脇でキャンプ張った組がそのままそこで観戦してるってのもあるけど、昼前にけっこう帰った人も多い感じ。
15時のゴール後、スタンドからコースに降りられて、近くで表彰式を見ることができたのだけど、やっぱり人数はそう多くなかったかな。
ちなみに絶妙な場所にタイヤカスが跳んで、コンクリウォールに描かれたビバンダム君に、眉毛と鼻と乳首ができてた(笑)。まあ50台なりのクルマが24時間走り続けたら、タイヤカスの量もハンパないよね。
ドライバーの皆さん、チームの皆さん、FSWマーシャルの皆さん、24時間お疲れ様でした~。
さて、レース終了後の場内および周辺道路の混雑状況だが、まっっったく渋滞なしでありました!!
GTなんて場外に出るまでも大変なのにねー。至って平和であったわ。
が、帰り道はやっぱりそれなりの渋滞が。そのまま下道、R246をのぼって帰ったのだけど、いつもの日曜日のいつもの渋滞ってとこでしたね。
半世紀ぶりのFSWでの24時間レースはこんな感じでした。好評だったのでしょう、来年の開催も既に決定しました。興味が沸いた方はぜひ来年、一歩踏み出して、サーキットで現地観戦してみませんか!!
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